分かっていても行動しない(できない)ことが問題

~行動を起こすための 3 つの重要なヒント~

リーダーの役割と行動について議論するとき、専門家が本やセミナーで語るのは、リーダーはビジョンや目標を設定し、それをメンバーに明確に表現する。

そしてメンバーのモチベーションを高め、目標に向かってチームを一つにまとめ、目標に向かって進む。

順調なことばかりではない。困難は必ず発生する。その困難に真正面から向き合い、チームメンバーを鼓舞し、時にはリードし、チームメンバーの背中を押し、困難を成長の糧とする。

このようなリーダーシップ論を知り、「よしやってみよう」と思って行動を始めると、頭の中で考えていたように行動できない。

やっぱり優秀なリーダーだからできる事なんだ、中小企業には人材がいないので、そもそもセミナーや本に書いてあることは我々には無理なんだと思い始めたところに、

今度は、成功者は最初から成功者ではない。みんな小さな事業から始め、困難を乗り越えてきたから成功者になったんだと言われる。

そう言われても、行動できない。

実はここが問題なんです。わかっていても行動に移せないことに問題と課題があります。

多くのリーダーシップ論は、成功した、見えている行動やスキルを語っています。その行動を起こすための見えていない肝心なところは示せていないんです。

その見えていない重要なことは3つあります。 1 つ目は結果ではなく行動に焦点を当てること、2 つ目は感情のマネジメント、3 つ目は時間の認識とマネジメントです。

結果ではなく行動に焦点を当てる

結果を左右するのは、あなたの現在の行動と、競合他社の状況などの外部環境です。

つまり、結果を引き起こす行動をとったとしても、望む結果が得られるかどうかは「わからない」のです。

「わからない」からといって行動もしなければ、100%結果は得られません。このことを理解した上で、私たちが考えなければならない課題は、

「わからない」はずの結果に囚われるあまり、望む結果を生み出すための十分な行動ができていないことです。

この課題解決に向けて、まず理解することは、私たちは結果をコントロールすることができないということです。

そもそも「できない」ことを、コントロールしようとすれば、失敗し、落ち込み自分の無能さを嘆くのも当然です。

「できない」ことなので、その人の能力の問題ではなく、「できない」ことをあたかもできて当たり前のように捉えてしまうところに苦しみ、悩みが生まれます。

たとえば、大事な契約を取るという結果に囚われ、緊張し普段のように話せなかったら、クライアントに悪い印象を残し、ライバルに契約を取られてしまうということも起こります。

これは頭では理解していることかもしれませんが、意識して行動に焦点を当てていないと実行できないことかもしれません。私たちにできることは、行動を起こし、最善を尽くすことです。

結果はコントロールできなくても、取る行動はコントロールできる。これが成功への鍵です。

スティーブ・ジョブズが言ったこととして有名なのが「Be Here Now」というと言葉です。

この概念は、行動を起こすときには、その瞬間に存在していなければならないということです。

わからない結果を心配したり、物事がある方向に進むことを期待したりしてはいけません。

その代わりに、今この瞬間に集中し、目標に沿った行動を取ることです。

なぜ感情のマネジメントが必要なのか?

結果を出すためには、自分の行動に集中しなければなりません。そのためには、自分の感情を自覚し、マネジメントすることが不可欠です。

なぜならば、この感情が、理性では分かっていても行動をしない原因になることが多いからです。

ここで重要なのは、感情をマネジメントするということで、感情を抑制するということではないということです。感情を抑えるということは、エネルギーを抑えるということfです。

それは感情が行動の原動力となるエネルギーだからです。しかし、一方で、落胆、不安、恐怖、やる気のなさなど、ある種の感情が、理性では分かっていても行動の妨げになることも事実です。

だから、持っている能力を最大限に引き出すためには、感情のマネジメントが必要です。私たちの感情は、成功を収めるための素晴らしい原動力と理解しましょう。

実際、感情をうまくマネジメントできると、より生産的で成功しやすくなることが研究で明らかになっています。 

このことも十分、頭ではわかっていることです。モチベーションが大事だという表現が常に飛び交っていることからもうかがえる事実です。

モチベーションは感情だということを意識しましょう。そしてモチベーションを高めたいと考えるのならば、感情を抑え込むことは考えず、マネジメントすることを考えましょう。

さらに加えるならば、ポジティブな感情は良いが、ネガティブな感情は悪いということも捨て去りましょう。

ポジティブな感情がゆだんや傲慢につながることもあります。ネガティブな感情が徹底した準備を引き出すこともあります。

繰り返しになりますが、感情は行動のエネルギーです。あなた自身のどんな感情が最も効果的に行動を引き起こすかを知り、マネジメントすることが大切です。

感情をマネジメントする方法

自分の感情をマネジメントするためには、いくつかの重要なステップがあります。まず、自分の感情を認め、自分の感情パターンを認識することが重要です。

そのために、感情が沸きあがった時に、外的な出来事に対してどんな意味づけをしていたかを意識します。

出来事には意味はありません。意味付けするのは私たち自身です。そしてその意味が感情を呼び起こします。次に、どんな感情が喚起されたかに気づく。

呼吸法や瞑想で感情をコントロールすることは一般的に知られていますが、同時に自分を意識することも重要です!

このように感情のマネジメントは、まず「意識する」という第一歩から始まります。自分の感情に気づく必要はありません。

今、自分の感情が沸きあがったということに意識を向けることは、自分を振り返ることです。

振り返るというと、自分を見つめ、何が感情を引き起こすのか、そして感情をうまくマネジメントするためにはどうしたらいいのかを理解することだと思いがちですが、そこまでは求めません。

通常、人は感情が沸きあがっても、その感情を抑えようとするか、ただ流されるだけのことが多いと思います。

抑えこもうとすることも不要で、意識を向けるだけで、十分、振り返ることが出来ていると理解しましょう。

そして次に、その感情を引き起こした外界の出来事に対して、どんな意味付けをしたかに意識を向けます。

正確に意味を見つける必要はありません。今起きた、外界の出来事が、悪いことだと意味付けした。とか、幸せと意味付けしたとか、漠然としていてかまいません。

この感情と意味付けに意識を向ける練習が、感情のマネジメントにつながっていきます。

考え見てください、これまで感情はどうしようもない突然現れて私たちをかき回してどこかに行ってしまうと思っていたものを、

いきなり感情に気づき、その感情が引き起こされた外界の出来事の捉え方を変えて、自分の対処法を確認し、感情を適切に管理するためのより良い戦略を構築することなんてできません。

できないことにエネルギーを注ぐよりも、小さくてもできることを積み重ねることが結果的に早く目的を達成することもあります。感情のマネジメントはこの良い例だと考えます。

時間の認識とマネジメント

時間の認識が行動の選択や内容に影響することは、多くの人が経験していることでしょう。

しかし、時間を認識しマネジメントすることが、求める結果を生み出す行動につながるということは、あまり考えられていないのではないでしょうか。

すべての人にとって平等である「時間」は、実は捉え方が異なり、その捉え方とマネジメントが、行動に大きな影響を与えるのです。

これは人が時間の認識を自在に変えることができることから生じます。同じ1時間であっても、短いとも、長いとも認識することが出来ます。

例えば、急いでいるときの1時間は、流れが速く、気持ちが焦るかもしれません。

リラックスしているときは、時間の流れが遅く、やるべきことを完了するための時間があると感じるかもしれません。

このように、時間の感じ方は自分自身でコントロールでき、ニーズに合わせて調整することができます。

本来、このように時間の捉え方を自分自身でコントロールできるはずなのですが、現実は違うようです。

特に企業活動においては、短期で結果をだすことに意識が向いているようです。4半期ごとの決算がこの短期思考を加速させているかもしれません。

時間を短くすれば、行動も素早くなる傾向があります。なので素早い行動を促すには、短い時間設定が効果的かもしれません。

しかし、これまで経験の無い行動や、達成が困難な目標に向かって行動しなければならない時などは、時間を短くすることで行動に制限がかかることが考えられます。

素早く行動するには、慣れた経験済みの行動しか思いつかなくて当然です。しかし、高い目標に向かって、新たな行動にチャレンジしようという時は、どんな行動をするのかが分からなくなるかもしれません。

分かっていたとしても、短い時間内では不可能と考え、その行動を選択しない事も考えられます。

つまり、日ごろ慣れ親しんだ短期で考えることから、長期で考えてみることが必要になります。

時間を長く取り、ゆとりを持って、困難な目標に向かっての行動を考えていくと、短期では思いつかなかったアイディアが生まれてきます。

例えば、経験や土台づくりのために、当初は結果を求めないということも考えられます。

Amazonがスタートした時は、本だけの販売に集中し、顧客情報を収集した後に今のような商品群を充実させたのも時間軸を長く取った戦略です。

急がば回れということわざもあります。時間軸を長く取ることも必要です。

結論

「分かっていても行動できない」ということは、これまでと同じ思考、感情では結果は出せないということです。

そこで、思考、感情を変えて、変化を起こす行動、困難を乗り越える行動を引き起こすために、行動に焦点を当て、感情のマネジメントを行い、時間軸を長くとるということを試してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございます。読んでいただきご意見などありましたら是非お聞かせいただければ幸いです。

また、もっと具体的にどうすればよいのか知りたいというかたも是非お問合せいただければと思います

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