リーダーシップ7つの習慣5:「変化を受け入れて柔軟に対応する」
世界は常に変化しており、リーダーはどんな変化にも対応できるように準備しなければなりません。
新しいアイデアを受け入れ、失敗を受け入れ、失敗から学ぶことで、リーダーはより成功し、生産的になることができます。
こんなことは百も承知です。問題はいかにして柔軟な対応が出来るようになるかです。
変化を柔軟に捉える為には、思考を柔軟にして最良の選択をすることが大切なのですが、分かっていても出来ていないのが現状です。
これは、どこに課題があるのか?
実は、固定観念に課題があります。固定観念が無意識的に発動し、分かっていても今までと同じ行動を選択してしまう。
例えば、社員育成には、指示をせず本人に考えさせ、行動を推進し、失敗からは学び、成功からはさらなる成功へとつながるヒントを得る。
というようなことはセミナーに参加したり、本を読めば分かるし、実際に試してみようする。
しかし、ついつい指示をしてしまう。言い訳としては、「失敗するのが見えているのに黙っていられない」「社員が主体的に動こうとしないので、指示を出さなければ進まない」などという声が聞こえてきます。
一方、社員の方では、「失敗してもいいからやってみろ」と言われても、失敗すれば追及が厳しいので、指示を待ってしまう。
こんな状況も固定観念が生み出しています。「会社は俺が引っ張っていかないと進まない」「経営者が全ての責任を持たなければならない」等といった、固定観念が社員の主体的な行動の障害になっているかもしれません。
また、「経営者が全ての責任を持たなければならない」といった固定観念が、失敗は許されない⇒確実な施策だけを選択する⇒毎年、同じような施策しか打てない。
ということに繋がり、新しいことにチャレンジしないと、このままではダメだと分かっていても、チャレンジしない施策でとどまってしまう。
必ずしも、これらの事例のように、チャレンジすることが柔軟な対応とは限りませんが、変化に対して、過去の思い込みや、習慣、固定観念を外して、最良の判断、行動の選択をすることに、柔軟な対応の意義があります。
それでは、この固定観念を超えて、柔軟な対応を進めていくプロセスは次のようになります。
- 理想的な行動を具体的にしていきます。目的や目標を達成する為に、頭の中で描いている行動はどんなことなのかを具体的にしめします。
- この理想的な行動をとらず、別の行動をしているはずです。この理想的な行動ではなく、何をしているかを示します。
- なぜ、理想的な行動ではなく、別の行動をしているなか?その理由(言い訳でも大丈夫です)を明らかにします。
- その理由を正当化する思いがあるはずです。それが固定観念と考えられます。
そして、固定観念が出てくれば、これからは少しづつ練習です。
- 固定観念に反する行動であり、その行動をとってもさほど大きな失敗に繋がらない行動を選びます。
- その行動を実践してみて、その時の相手の反応、自分自身の感情をレビューします。
- この練習を繰り返します。
つまり、意識的に固定観念に反し、理想的な行動を実践できる練習をす
ることで、無意識的に理想的な行動へと進んでいきます。
いたってシップルな方法です。しかし、試さなければ一向に進みませんし、固定観念に反すことを行うには抵抗感もあります。
しかし、このシンプルな方法の中に、分かっていても行動できない、時代の変化に対応するための柔軟な思考と行動を見につける内容が詰まっています。
固定観念から導き出される、変化への対応や、組織を変革する活動を「しない」言い訳を正当化するのではなく、一度、試してみませんか。