リーダーシップ7つの習慣3:「目標を設定し計画をたてる」
一生懸命頑張っているのに思うような成果につながらない、いつもと同じような結果にしかならない。
このような経験を持っている方が多いように思います。なぜならば、これは人の特長に起因して起きているからです。
その特長とは、「人は未来を見続けることはせず、今を見る」というものです。つまり、Why(なぜ)今頑張っている活動を続けているのか、何を成し遂げたいのか(目標)をいつの間にか忘れてしまっています。
そしてWhat(何を)に意識が集中し、思うような結果が出なくても、方向がずれていても近視眼的になり気づかないということになります。
なので、リーダーは常に、Why(目的)を念頭に置き、何を成し遂げるのか(目標)の進捗を見ながら、What(活動)を柔軟に変えていくことが必要になります。
人は未来を忘れる
人の生存本能は、今この瞬間に意識を集中させます。なぜならば、今生きていることが最重要であり、今生きていなければ遠い明日の未来は無いからです。
なので、なぜこの業務を行うのか(目的)を明確にし、その目的達成の為に期日を決めて、何を成し遂げるのか(目標)を設定して、その目標達成の為に何を(What)するのかを決めても、
決めた瞬間から、何を(What)に気を取られることになります。そして今しか見ないので、少しぐらい目的や目標からずれていても気づきません。
加えて、目的とずれていても、目標が売上数字などの数値目標が達成されることもありますが、その場合、ますます目的からずれていることに気づかず、最悪な場合には、社会の状況から取り残されることもあります。
この事象は、ジム・コリンズ著「ビジョナリーカンパニー衰退の五段階」の中でも、かつてビジョナリーカンパニーとして称賛されていた企業が目的を忘れて目先の売上に囚われた末に衰退していく具体的な事例で描かれています。
つまり、リーダーの能力の問題ではなく、人は今に生きるという本能的なことから目的を見失うということです。
常に目的を基準にする
人は本能的に今に生きる。ということを前提にした場合に、リーダーが押さえた方が良いことがあります。
- 一度、目的・目標を社員と共有したから上手くいく
- 目的は明確だから、目的からずれることは無い
以上のようなことは幻想だと考えて行動することです。
リーダーは常に目的を判断基準にすることです。結果を分析する場合も、望む結果が出ているからよい、出ていないから悪い、というような評価は意味がありません。
目的にそった行動が出来ているかが、まずは優先にすべき評価です。そして次に結果を評価するというプロセスが大事だと考えます。
行動に意識を向ける
リーダーが目を向けるのは、目的に沿った行動をしているかです。行動しなければ結果は出ません。
しかし、結果に影響するのは行動だけではありません。社会状況に市場状況も大きく影響します。ライバルの動きも重要な要因です。
なので、結果は出て見なければ分からないと認識することです。つまりマネジメントできない要素になります。
マネジメントできるのは、行動です。マネジメントできないものに意識を奪われることなく、マネジメントできることに集中することがリーダーとして合理的なことだと考えます。
とはいえ、上手くいけば嬉しくなり、上手くいかなければ落胆し、不安にもなります。だからこそ第一の習慣でしめした、自分自身の感情や観点を知り、自分自身の感情のマネジメントが大切になります。
目的に沿った行動をすれば、目的に近づきますが、違う行動をすれば短期的に望む結果は得られても、目的からは確実に遠ざかります。
ここを腹に落とし込み、リーダーは行動に集中しましょう。
目標をSMARTで表現する意味
行動に集中することで、人の本能の今に生きるから、少しづつ目的がずれることがあると書きました。
だから、リーダーは目的を判断基準に置くことが大切ですが、目標を設定する際に、SMARTというモデルを活用することも有効です。
SMARTとは、Specific(具体的な)、Measurable(測定可能な)、Achievable(達成可能な)、Relevant(関連性のある)、Time-bound(期限を設けた)の略です。
これらの要素を目的との関連性を抑えながら埋めていくことで目標は、明確で実現可能なものとなり、目的に沿ったものになります。
例えば、Specific(具体的な)の要素で、まずはこの目標が目的に沿ったものかを判断します。
次にMeasurable(測定可能な)の要素に目的の進捗が分かるメジャーを入れるなどによって、目標を達成するための計画やアクションを具体的に立てることだけでなく、自然と目的に向かう仕組みも出来上がります。
まとめ
リーダーシップにおいては、結果は一つのメジャーと捉え、行動に集中することが大事です。その為に目的と目標を具体的に示すことが重要です。
具体的な目標は、行動の方向性を定めることができ、成果を上げるための道筋を作ります。また、目的に合わせた仕組みをデザインすることも自然に目的達成へと向かうことに繋がります。
そこで、SMARTを活用して目標を設定し、計画を立て、実践に活かすことで、より効果的なリーダーシップを発揮することができるでしょう。皆さんもぜひ目的と目標を明確にし、具体的な行動をとりながら、成果を上げていきましょう!